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販売促進戦略~ロードサイド店舗ならではの顧客管理~

販売促進戦略~ロードサイド店舗ならではの顧客管理~

 今はめっきり少なくなった町の魚屋さん。私が住んでいる街でも魚屋さんは見かけますが、シャッターが閉まりっぱなしだったり、営業していても開店休業状態だったりするところが目につきます。しかし、遠い昔には、店主がこんなことをお客さんに声かけしていたはずです。

「お、〇〇さんちの奥さん、いらっしゃい。この間買ってったサンマ、どうでした?美味しかったでしょう。今日のお勧めはアジ。たたきにして旦那さんに出してあげてよ。旦那さんの好きな日本酒にぴったりですよ。」

 お客様の名前、購買履歴、家族構成、嗜好、がすべて店主の頭に入っているだけでなく、それを販売促進に活かしていることがわかります。現在、このような声かけが行われなくなってしまったのはなぜなのでしょう。

 店舗との関係性より価格重視の顧客が増加したこと、顧客のことを覚えてもすぐに辞めてしまうスタッフが増加したこと、品数の莫大化により購買履歴が覚えられなくなったこと、など様々な理由が考えられますが、原則として人が人から商品・サービスを購入するロードサイド店舗において、個別対応の重要性は変わることはないはずです。つまり、店舗を運営する側としては、個別対応が必要なことは理解しているのですが、個別対応ができなくなっていると言えるでしょう。

 ロードサイド店舗に訪れる顧客は、車両で来店する特徴があります。これを利用すると顧客と購買履歴が紐づくようになります。これは、私がガソリンスタンドの店長時代に実施し、大きな成果を挙げた手法です。

 具体的な手法は、スタッフ全員にメモ用紙を持たせ、接客後に車のナンバーと接客内容を書き込みます。

 例えば、「品川33あ1234」のナンバーを付けた車両に乗るお客様に対して、給油中に「タイヤの空気圧を点検しましょうか」と声をかけたとします。お客様がそれに応じ、点検した結果、タイヤは4本とも異常がなかったとします。お客様へご報告後、そのスタッフは「品川33あ1234」と「タイヤ空気圧点検 4本異常なし」と手持ちのメモに記入します。併せて参考情報として、接客した日付、接客担当者、支払方法も記入します。

 同様に「練馬33い5678」のナンバーを付けた車両に乗るお客様に対して、給油中に「タイヤが減ってますけど交換のご予定はありますか」と声をかけたとします。お客様が「そうだね、今日は急ぐから次回来た時に交換をお願いするわ」と言ったとします。お客様が退店後に、そのスタッフは「練馬33い5678」と「タイヤ摩耗 次回交換予定」、そして日付、接客担当者、支払方法を記入します。

 私はそのメモを集め、店頭に置いたノートパソコンを開き、メモに記載された内容をエクセルに入力します。ある程度データが貯まってくると、エクセルのフィルター機能を使って4桁のナンバーを入力すれば、これまでの接客内容が分かります。

 ひと月後「品川33あ1234」のナンバーを付けた車両が入店してきた時に、スタッフは店頭のノートパソコンで「1234」を入力します。すると前回入店はひと月前であり、タイヤの空気圧を点検して異常がないことが、前回そのお客様に接客していないスタッフであってもわかります。それを踏まえて「前回の空気圧点検からひと月が経過しましたが、今回も空気圧点検しませんか?」と声かけができます。

 同様に「練馬33い5678」であれば、「前回、他のスタッフがタイヤ交換をお勧めしたと思いますが、お時間がなかったということでした。本日はお時間ございますか?」と声かけができます。

 ちまたでは車両ナンバーと購買履歴を紐づけるシステムが販売されています。しかし、それを導入せずとも、エクセルの入ったパソコンさえあれば、冒頭の魚屋さんのような接客が可能となるのです。
 
 ロードサイド店舗という特性を活かすことが、ネット通販という脅威を回避する有効な手段なのです。

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